マーメイドはホテル王子に恋をする?!
ドーナツが並んだ棚の前に立っている彼は、私が近寄ると、どの味が好きか?と指を差して尋ねた。
「えっ?」
どういうことだろう。試食でもしたいのかな。
「そうですね。私はプレーンが一番好きなんですけど、ヨーグルト風味も観光客の方には珍しくて人気みたいですね」
味は全部で五種類ある。
プレーンとヨーグルト以外にもチョコレートと抹茶とブルーベリーが並んでいる。
「じゃあその二つも買おう。このカゴに入れてレジに持っていけばいいのか?」
籐で出来た浅いバスケットを手に取り聞いてくる。
はい、と頷けば少し仏頂面になり、気に入らないな…と囁いた。
「さっきから敬語ばかり使っているが何でだ。今日は会社の上司と部下じゃないと話しただろう」
いや、でも、実際に上司と部下ですしぃ〜。
「あ、あの…」
上から覆い被さるような視線を向けられ、言い訳も出来ない雰囲気が漂う。
弱ったな…と言うか困る。
そんなに見つめられると心臓がまた速く鳴りそうで……。
「地元の目が気になるのはわかるけど気にし過ぎても楽しめないぞ。折角二人でいるんだ。もう少し気軽に話せよ」
話せよ…って簡単におっしゃますけどね〜。
「む…」
無理ですなんて言葉も言わせてくれない様な表情で笑いかけられた。
この場面でその笑顔なんてズルい。
「は……うん…」
「えっ?」
どういうことだろう。試食でもしたいのかな。
「そうですね。私はプレーンが一番好きなんですけど、ヨーグルト風味も観光客の方には珍しくて人気みたいですね」
味は全部で五種類ある。
プレーンとヨーグルト以外にもチョコレートと抹茶とブルーベリーが並んでいる。
「じゃあその二つも買おう。このカゴに入れてレジに持っていけばいいのか?」
籐で出来た浅いバスケットを手に取り聞いてくる。
はい、と頷けば少し仏頂面になり、気に入らないな…と囁いた。
「さっきから敬語ばかり使っているが何でだ。今日は会社の上司と部下じゃないと話しただろう」
いや、でも、実際に上司と部下ですしぃ〜。
「あ、あの…」
上から覆い被さるような視線を向けられ、言い訳も出来ない雰囲気が漂う。
弱ったな…と言うか困る。
そんなに見つめられると心臓がまた速く鳴りそうで……。
「地元の目が気になるのはわかるけど気にし過ぎても楽しめないぞ。折角二人でいるんだ。もう少し気軽に話せよ」
話せよ…って簡単におっしゃますけどね〜。
「む…」
無理ですなんて言葉も言わせてくれない様な表情で笑いかけられた。
この場面でその笑顔なんてズルい。
「は……うん…」