マーメイドはホテル王子に恋をする?!
安く見られてるな…と思うが、それでもこのまま終わってしまったら寂しい。
安くて軽い女だと思われてもいいから社長との時間を楽しみたい。
お礼の内容なんてどうでもいいから彼との時間が続いて欲しいーー。
たった数時間しか触れ合ってない人なのに馬鹿だ。
社長のイケメン面にすっかり絆されている。
「花梨、こっちだ」
ホテルに着くと、社長はレンタルブティックの中へ入って行く。
この店はホテルで披露宴をする人達に向けた貸衣装を扱っている所で、私としてはこれまで一度も縁のない場所だった。
「えっ?……あの……しゃちょ……?」
ここではもう社長と呼んでもいいのか。
それとも、まだ名前で呼ぶべき?
「用意は出来ているか。岩瀬」
店の奥に声をかけると秘書の岩瀬さんが、「はい。整っております」と返事をしながら出てきた。
私は何の準備が出来上がっているのかもわからず、社長と岩瀬さんの顔を往復して眺めた。
社長は何やら奥のスペースを見て頷き、ちらっと私に目を配ってから寄って来る。
その顔を見つめたまま、こっちは瞬きすらしないでいた。
「手近で悪いが、ホテルのディナーを予約しているから着替えておいで」
あそこで…と示された部屋は、普段レンタルした衣装に着替える場所だ。
あまりの用意周到さに驚き、唖然とした状態で立ち尽くした。
安くて軽い女だと思われてもいいから社長との時間を楽しみたい。
お礼の内容なんてどうでもいいから彼との時間が続いて欲しいーー。
たった数時間しか触れ合ってない人なのに馬鹿だ。
社長のイケメン面にすっかり絆されている。
「花梨、こっちだ」
ホテルに着くと、社長はレンタルブティックの中へ入って行く。
この店はホテルで披露宴をする人達に向けた貸衣装を扱っている所で、私としてはこれまで一度も縁のない場所だった。
「えっ?……あの……しゃちょ……?」
ここではもう社長と呼んでもいいのか。
それとも、まだ名前で呼ぶべき?
「用意は出来ているか。岩瀬」
店の奥に声をかけると秘書の岩瀬さんが、「はい。整っております」と返事をしながら出てきた。
私は何の準備が出来上がっているのかもわからず、社長と岩瀬さんの顔を往復して眺めた。
社長は何やら奥のスペースを見て頷き、ちらっと私に目を配ってから寄って来る。
その顔を見つめたまま、こっちは瞬きすらしないでいた。
「手近で悪いが、ホテルのディナーを予約しているから着替えておいで」
あそこで…と示された部屋は、普段レンタルした衣装に着替える場所だ。
あまりの用意周到さに驚き、唖然とした状態で立ち尽くした。