狂愛
「先輩のことが好きなんです」
女の声が響きわたった。
先ほどまでガヤガヤと騒がしかったその場所も途端に静かになる。
昼休みのカフェテリア。
一番多いこの時間帯。
周りにいた生徒たちは、あんぐりと口を開けて驚いていた。
こんな中で告白する勇気にもそうだが、なによりその告白相手にだ。
彼女の顔は特別美人でもなければ、不細工でもない。
要は普通だった。
一方、告白をうけた男は校内でも有名な生徒。
成績優秀。スポーツ万能。ついでにいうと生徒会長もしていて、生徒からも先生からも人望が厚い。
しかし、今まで少しも色恋沙汰の話がなかった。