狂愛
「智樹、もう別れよう」
彼の匂いが充満している落ち着く部屋、いつも彼がいれてくれる優しい香りのミルクコーヒー。
何もかもが私を安心させてくれる部屋で、隣に座る彼に冷たく言い放った。
窓の外を見ると空は真っ暗になっており、とても静かだ。
誤解しないように言っておく。
別に彼のことが嫌いになった訳ではない。
入れてくれたミルクコーヒーを口に含みながら彼の顔色を伺ったが、彼はただそれを呆然と眺めている。