狂愛
よっぽど理想が高いんだと、彼に想いを寄せていた人たちは諦めていった。
そうした中での告白。
皆、息を飲んで答えを待つ。
だがその答えは分かりすぎるほどに容易に想定できた。
答えは、否。
その事実をこの大勢の中で突きつけられるんだと、次は違う意味で皆息を飲んだ。
「…好き?俺を?」
「はい」
顔は普通でも、声は透き通るように綺麗な声をしている彼女。
その芯のある声には緊張の色など微塵もなく、むしろ誇らしげに真っ直ぐとしていた。
「私は誰よりも貴方のことを知っています。先輩のことで知らないものなどありません」
「ふーん?」