狂愛




しかし長く一緒にいて情がわいたのか、彼が別れることを拒否すれば私はそれを受け止めようとも思っている。



要は彼次第なのだ。



長く訪れる沈黙。それを破ったのは彼だった。





「……そっか……、それじゃあ仕方ないね」





彼は小さく笑って眉を下げた。





「(うん。……そう言うと思ったよ)」



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