狂愛




玲音は焦っているのか、頭をクシャりと掻きむしっている。





「俺はたしかに顔が良い。だから寄ってくる女も数え切れないほどいる」





確かにそうだけど、こんな自信満々に言われてもね……。ムカつくだけだよね……。





「それがなに?」



「まぁだからお前に会う前はたくさん女遊びしてた。けど──」





それから先は言いづらいのか、目を泳がせている。



なかなか先を言わない玲音に痺れをきらしたあたしはため息をこぼした。





「あのねー、あたしだって暇じゃないの。これから用事だってあるんだから」



「その用事って──男と会うんだろ」



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