狂愛




こいつは本当にヤバイやつだった。



今はこいつの笑みでさえ恐ろしい。



玲音はこちらに近寄るとぎゅっとあたしを包み込んだ。



もう抵抗する気もおきなくて、しばらく放心状態にあった。


〜♪〜♪〜♪〜


突如携帯の通話を伝える音楽がなった。



やった。これで解放される。



そう思い、玲音を引き離そうとするが彼はそれより強い力であたしを抱きしめる。





「ちょ、離して!電話!なってんだけど!!」





おそらく電話の相手は直也先輩だろう。



もう待ち合わせ時間には玲音のせいで遅れていて(自分の家をでる時間が遅かったのもあるけど)、きっと心配して電話をしてくれたに違いない。



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