狂愛
「それが……なによ?もしかしたら好きになれるかもしれないじゃない」
「いーや、昔の恋ばかり引き摺っているお前には無理だな」
彼は俯いていたあたしの顔をあげさせ、息を呑むほどの綺麗な顔が視界に広がる。
「……なんであんたがそんなことまで知ってんのよっ!!」
「言ったろ?そんなんどうとでもできるって」
もう恋はしないと、あの時誓った。
でもそれは無理だった。
寂しくて、苦しくて、誰かに寄り添わないと壊れてしまいそうだった。