狂愛
「あんな浮気ヤローなんか早く忘れちまえ……と言いたいところだけど、まぁ本当に好きだったんだろうし……」
玲音が柄にもなく言いづらそうに視線を彷徨わせる。
「今日は本当にどうしちゃったのよ……」
「あ゙ぁ?」
無意識のうちに思っていたことが口に出ていて、玲音が睨むようにしてこちらを一瞥したので、焦りながら手で口元を覆った。
「……お前がアイツをどれだけ好きだったか痛いくらいに知ってる。でもそれは過去にすべきなんだ。分かるか?」
「…………」