狂愛




初めて明かされる玲音の気持ち。



いつもだったら笑い飛ばしたりするけど、彼の真剣な顔がそんなことできる雰囲気じゃなくて。



あたしはただ呆然と立ち尽くしていた。





「最初はムカつくからお前のこと気になるんだと思った。俺以外の奴みてるし、しかもそれは絶対に叶わない学校の先生だし」



「…っ」





玲音はそっとあたしの左手を握りしめる。



その手が大切なものを包むように優しくてふり解けなかった。





「そうだと思ってたのにいつの間にかお前らデキてるし。焦ってたらいつの間にかアイツはお前のこと捨ててるし」



< 57 / 68 >

この作品をシェア

pagetop