狂愛




そこまで言うと彼はあたしを肩に軽々と抱え上げた。





「え!?!?ちょっ、離して!!」



「離すかよ。黙って俺に身を預けろ」





そのまま彼はスタスタと歩き出す。





「ちょっと!恥ずかしいからっ、誰かに見られたら!!離してよ!!」



「うっせ、すぐそこに車があるから」





玲音の進む方向をみると、高級そうな黒い車が1台止まっている。



すると運転席からヒゲを生やした老紳士のような人がでてきて、後部座席のドアを開けた。





「今すぐ俺の別宅へ向かえ」



「かしこまりました」



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