狂愛




「教えといてやるよ。俺の前で他の男の名前を言うことは許さないからな。俺以外のことを考えることも絶対に」



「……は?」





玲音の威圧的な空気におされ、時が止まったように動けなくなった。





「……たっぷりお前を甘やかしてやるから覚悟してろよ?」





あたしの意識はそこで終わった。



彼のもつハンカチがあたしの口を覆い、顔を顰めてしまうようなニオイを嗅がされて意識が飛んだ。



最後に見た彼の色目かしい顔が頭から離れない。



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