××したいくらい、好き。
「あ、あ、か、かいとくん……」
目の前まで来たかいとくんの名前を恐る恐る呼ぶと。
にこにこしたままのかいとくんは、私の腕をつかむとぐっと自分の方へ引き寄せた。
「ひあっ!?」
思わず変な声を上げる私。
かいとくんの行動に目を丸くするお姉さん二人組。
「残念だけどお姉さんたち」
そして、かいとくんは、お姉さんたちに見せつけるように、私の頭に優しくキスを落とした。
「僕、この子に絶賛夢中だから」
「あ、あ~、そっかあ~」
「彼女持ちじゃん!! 行こう!!」
気まずそうに立ち去っていくお姉さんたちを、かいとくんは気にもせず私を抱きしめた。
「あー、僕の絆奈、僕だけの絆奈、好き。好き」
いつもの甘い台詞を並べてきて。
私はと言うと、人前でこんなことをされている恥ずかしさよりも、コレによって周りの人たちからの視線が一気に集まっていることの方が恐怖で仕方がなかった。