××したいくらい、好き。

「かわいい絆奈を見てもいいのは、僕だけだよ」


ぽんっと、かいとくんからメイド服を渡される。

…って、いやいや、なにちゃっかり受け取ってるの!? 私~!!


「生地は僕が買っておくから、絆奈はゆっくり着替えておいで?」

「……っ」


不適に笑うかいとくんに、断る言葉も出せずに試着室へと向かった私。
私が完全に試着室に入るまで、その瞳はずっと私を写し続けていた。


「かいとくんたら…何考えてるか本当にわかんないよ……!!」


試着室にある全身鏡に、自分の姿が映った。

そこに映ってたのは、私が見たくない自分の顔。

自信がなくて、情けない表情をしている、私の顔。


手に持っていたメイド服を、自分の前に持ってきて重ねれば。


私がいつもはいているスカートよりも何㎝も短いスカート。

私がいつも着ている私服とは何倍も目立つフリフリ。


こんなの、私には……着れないよ…。

っていうか、メイド服に失礼だよ。

もっといえばこのメイド服を作ってくれた人に申し訳ないよ……!!


「………」


―――ごくりと、唾を飲み込んだ。

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