××したいくらい、好き。
8:無理
*海音side*
「おーい、バカイトー?」
「どうした、いつも以上にずもももってしてるぞ?」
机に突っ伏したままの僕に、凛と雷飛が必死に呼びかけてくる。
太一は、絆奈の友達Aと一緒に帰ったようだった。
「…ほっといて。もう僕はこれから死ぬんだから」
「はあ?」
「お前、絆奈さんと何かあったのか」
雷飛の言葉にびくりと肩をふるわせる僕。
そんな僕を見て、凛は僕の肩にをっと手をおいた。
「そうか…ついにフラれたか…!!」
―――ズキッ
「安心しろバカイト、俺たちがついてる」
―――ズキズキッ
「また別の子を探せばいいだろ?」
―――ガタンッ
僕は、音を立てて立ち上がった。
「無理。別の子とか」
それだけ言って、ふらふらと教室を出た。
「「………」」
そんな僕に、二人は何も言えない様子で、じっと僕のことを見ていた。