××したいくらい、好き。
「絆奈」
優しく呼ばれた私の名前。
ああ、いつものかいとくんだ…。
「僕こそごめんね。絆奈の言葉を否定したかったのに……
こんなにも絆奈を好きな気持ちがうまく伝えられなくて、伝わらなくて」
初めて、あんなに戸惑ったよ。
そう言って、私の額に自分の額をこつんとくっつけてきたかいとくん。
そのせいで、一気に距離が縮まった。
「僕のせいで、傷つけてごめん」
かいとくんの息がかかる。
苦しそうに顔をゆがめる彼が。
「……かいとくん……」
なんだかすごく、いとおしい。
「私……」
もう、遅いかもしれない。
私のことなんてなんとも思ってないかもしれない。
けど、それでも。