××したいくらい、好き。
番外編:かいとくんの幸せな日

僕は、暁 海音。

どうしてかはわからないけれど、みんなからは「バカイト」と呼ばれている。

こんなにも天才なのに…。


あ、そうだ。

みんなに紹介しないといけないね。

僕の愛しの高橋絆奈。
「高橋」が「暁」になる日も遠くないけどね。


今日は、そんな絆奈と僕が運命的な出会いを果たした大切な日なんだ。



「ね、ねえかいとくん…」

「んー?」


絆奈は、僕の中にちょこんと納まって、恥ずかしそうに僕を見た。


「ひ、人が来るかもしれないし…こんな…こんなの…」


放課後、僕たちは校庭にある大きな木の下の陰にいた。

僕がその木に寄りかかり、絆奈が僕の足の間にちょこんと座る。

そんな彼女を僕が後ろから抱きしめる形になっている。


季節はもう夏。
サアアッと心地よい風が吹いた。

絆奈の肌から、髪から、いい香りが僕の嗅覚をくすぐった。



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