××したいくらい、好き。
「ごめんねキズナちゃん、こいつ本当にバカで」
そして申し訳なさそうに両手を合わせて私に声をかけてきた。
「っ、う、あ、ぅはぁい!」
急になっちゃん(と、かいとくん)以外の人から声をかけられたものだから、私は驚きのあまりその場に立ち上がり、さらに満足に「はい」とすら言えない自分自身を同時に情けなく思った。
「何今の。新たな絆奈ちゃん語発見」
「絆奈ちゃん語?」
かいとくんの言葉に、なっちゃんが不思議そうに聞き返す。
私もつられてかいとくんを振り返ると、かいとくんは何かをメモしている様子だった。
「またやってる…」
かいとくんの後ろから呆れた様子で現れたのは、太一君の左隣の席の一条 雷飛君。
眼鏡をかけなおしながら、彼はふうとため息をついた。
「こいつ、初めて聞く絆奈ちゃんの言葉を全部メモしてるんだよ、気持ち悪いだろ?」
「………え?」
ひくっと頬を引きつらせた私となっちゃん。
め、メモ……???
私の……???
するとかいとくんは、嬉しそうにうなずいて言った。
「たとえば、○月×日…絆奈ちゃんは……」
ちょ、ちょっと待って。
そんなのこんな教室の真ん中で言われたら私……。
生きていけない……!!