××したいくらい、好き。
「暁君、相変わらずだね……」
なっちゃんが哀れむように私の肩に手を置いてくる。
暁 海音君は、その変わった性格でクラスの人気者…。
そんな彼にこうして顔を合わせる度に話しかけられると、周りの人の視線が痛くて仕方がないのです。
もちろん、海音君が迷惑なわけじゃない。
逆に、友達がほとんどいない私にとっては、話しかけてくれる人がいて嬉しいくらいだ。
ただ、こうして廊下のど真ん中で……堂々とあんな有名人に話しかけられるなんて……。
「はあ……」
これからの学校生活が、思いやられます。
……いつからだろう、あんな有名人が私なんかに話しかけてくれるようになったのは。
「海音君、本当にきずが好きなんだねえ」
にこにこと、でもどこか引きつっている笑顔のなっちゃん。
「…なっちゃん、面白がってない?」
「ばれた?」
「もう…!」
これは、そんな有名人海音君と、目立たない私のお話です。