××したいくらい、好き。
「ねえ海音」
「……」
「今すぐ海音の首にかみついて、私の歯であなたを殺しちゃいたいくらい好き」
「………」
あー。
僕、わかったかも。
こいつ、僕と全く同じ思考なのかもしれない。
―――『殺したいくらい好き』
前に、太一たちに絆奈ちゃんのことを話したとき、三人は口をそろえて僕を「イカれている」と言った。
僕は純粋に、絆奈ちゃんが好きなだけなのに。
人の愛情表現なんて、綺麗なだけじゃない。
きっと僕やはなみたいに、周りからはイカれてると思われるような愛し方だってある。
けど、変わらないのは。
本当にその人のことが好きだってことで。
とりあえず何が言いたいのかというと。
「離れてくれないかなあ」
そっと、はなの肩を持って僕から離す。