××したいくらい、好き。
5:僕の事好き?
*海音side*

「絆奈ちゃん」


絆奈ちゃんは、グラウンドを出て少し行ったところの木陰にいた。

体育座りをして、ふるふる震えてる。

ああ、なんて可愛いんだろう。

まるで、子猫さんのようだ。


「絆奈ちゃん、泣いてるの?」


そっと、絆奈ちゃんの肩に触れる僕。
すると驚いたのか、絆奈ちゃんの肩はびくりと震え、声にならない声を上げた。


「………か、いとく……」


ふいに見上げられた彼女の大きな瞳に、僕の顔が映る。


「………」


やっぱり、泣いてたみたい。
その瞳が涙でうるうるしてた。

…ああ、その水たまりってもしかして、絆奈ちゃんの涙だったのかなあ。


「かいとくん、有名人だし人気者だし、かいとくんのこと好きな人がいたとしてもおかしくないもん。
そんなことわかってるもん」

「え」


突然語り出した絆奈ちゃんは、信じられない言葉を並べだした。

僕が……人気者…?


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