××したいくらい、好き。
「きずの席!ここ!」
私の席を確認してきてくれたなっちゃんは、私の手を引いて案内してくれた。
……のはいいけれども。
「こ……ここ……!?」
私は『高橋』という自分の名字を恨んだ。
なんとそこは、教室のど真ん中であったのでした。
「む、無理こんなところ……!!」
さああっと青ざめていくのが自分でもわかる。
だってこれから毎朝人々の机の合間を縫ってここまで来て、放課後は毎日人の机の合間を縫って教室を出ないといけないって事でしょう!?
無理……!!!
無理だよお!!
泣きたくなった私は、もう完全にフリーズ。
「おーい、きず?? 座らないの?」
なっちゃんの呼びかけにさえも、反応することはできなかった。
「あ、高橋…絆奈さん?」
「!!」
なっちゃんの声すら届かなかった私が、反応した理由。
それは。
私の名を呼んだ人が、私の席の隣の人で、しかも……
お、お、男の人だったからでありました。