好きですか? いいえ・・・。





大通り沿いまで来て、落合くんは車椅子を止めた。目の前をライトを点けた車が行き交っている。



「オレがここから車椅子をタイミングよくトンッと押せば、きっと死ねる。さあ、どうする?」



確かに死ねると思う。でも、いざ目の前にすると、動かないはずの脚が竦んだ。不気味な風を受けたせいで、身体が冷え切ってしまっているだけなのか、寒気もした。身震いが止まらない。



「落合くん。やっぱりいいよ。」



「いいから! どっちなんだよ? んー?」



落合くんの語気が強くて、思わず振り返った。



「……落合くん、なんで怒ってるの?」



「怒るだろ!!」



さっきよりも更に語気が強まった。




< 107 / 204 >

この作品をシェア

pagetop