好きですか? いいえ・・・。
大通り沿いまで来て、落合くんは車椅子を止めた。目の前をライトを点けた車が行き交っている。
「オレがここから車椅子をタイミングよくトンッと押せば、きっと死ねる。さあ、どうする?」
確かに死ねると思う。でも、いざ目の前にすると、動かないはずの脚が竦んだ。不気味な風を受けたせいで、身体が冷え切ってしまっているだけなのか、寒気もした。身震いが止まらない。
「落合くん。やっぱりいいよ。」
「いいから! どっちなんだよ? んー?」
落合くんの語気が強くて、思わず振り返った。
「……落合くん、なんで怒ってるの?」
「怒るだろ!!」
さっきよりも更に語気が強まった。