好きですか? いいえ・・・。





食後は、お風呂に入って、それから二人で勉強をすることになった。テスト期間も近いし、落合くんにギターを教えてもらう代わりとして、勉強を教えることになっていたことをすっかり忘れていた。



「なあ、財満さん。この文法出る?」



「出るよ、もちろん。入試にも出るんじゃないかな?」



「そっかー。やっぱ覚えとかなきゃな……。」



落合くんは英単語帳にポストイットを貼った。オレンジ、ピンク、ブルー、イエロー……。カラフルなポストイットが英単語帳から、体育館を掃除する時に使うモップのようにだらしなく飛び出している。



「ねえ、落合くん。その色分けって何か理由があるの?」



「別に。その時の気分。ちなみに今の気分はピンクだから、ピンクにした。」



気分でポストイットの色分けをする人を、私は彼の他に知らない。



「わかりにくくない?」



「別に色分けする意味なくないか? それよりもピンクが早く減って、ブルーがかなり余っているなんて方が気持ち悪い気がする。」



なるほど……。そういう考え方もあるのか。



「でも、私なら英語はイエローで統一して、現代文はピンクに統一するって感じにするかな。」



「なるほど……。そういう考え方もあるのか。」



私が思ったことを口に出したことに少し驚いた。一緒に居る時間が長くなると、考え方まで似るものなのかもしれない。




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