好きですか? いいえ・・・。
こんな感じで3時間ほど勉強をして、それから二人並んで洗面台に立って、歯を磨く。
落合くんの歯の磨き方は、口元をほとんど開けない。
「ねへ、ほろみはひはた、やいふらくないの?(訳:ねえ、その磨き方、やりづらくないの?)」
「べふに。(訳:別に。)」
「まえはほか、みはひにくいでひょ?(訳:前歯とか磨きにくいでしょ?)」
「ほうかな……。ふくうにみはへるよ? ほら。(訳:そうかな……。普通に磨けるよ? ほら。)」
落合くんは器用に口を閉じたまま前歯を磨いて私に見せた。
「うはいおんだねえ……。(訳:上手いもんだねえ……。)」
「まあね。(訳:まあね。)」
それにしても、歯磨きをしていると眠くなるのは一体どうしてなんだろう。