好きですか? いいえ・・・。
歓迎される。
私は今、こんなに高い場所に立っている。
でも、この場所はいつも私が何気なく上っていた場所で、勉強をしていた場所で。
3階まで上がれることにここまで幸せを感じることなんてあっただろうか? この感動は、小学校に上がった時、1年生の教室が1階にあって、やっと2年生になって憧れの2階で授業を受けられる時のワクワクに似ている。
「どう? 疲れた?」
私がその場にしゃがみ込み、肩で息をしているのを落合くんが同じようにしゃがみ込んで、気にかけてれた。
「大丈夫。でも、これからも階段の上り下りくらいはやったほうがいいかなって。」
それから私は車椅子に座って、階段下を見下ろした。
「ねえ、落合くん。この車椅子に乗った状態で落合くんが押したら、私、確実に死ぬよね。」
「まあね。そんなことしないけど。」
「私さー、階段って上ると気持ちいいけど、こんなに怖いものだって思ったこともなかった。」