好きですか? いいえ・・・。
そのことがわかった瞬間、不思議なもので私の中の何かがスーッとろうそくの火を消したみたいに、一筋の煙が立って、何もかも消えてしまった。
冷めてしまった。
いや、きっとそういうところから恋愛が始まることだってあるのかもしれない。でも、大好きだった人なだけに、私の求めるものは大きくて、その中でちょっとの気の緩みも許せない。期待度がそれだけ大きかったのだ。
期待度がそれだけ大きい分、ガッカリも大きい。そして、そのガッカリが風船のようにどんどん膨らんでいって、やがてパンッと弾けてしまうんだ。そして、弾けた風船は唾液で湿った汚いゴムの千切れたゴミでしかない。
そんなゴミがどうなろうと私にはかまわない。
「ねえ、川上くん。」
「何?」
「私のこと、可哀想とか思ってない?」