好きですか? いいえ・・・。
「そりゃあ可哀想だって思うよ。だって、一生歩けないなんて言われたらさ……。オレだったら耐えられないもん。でも、財満さんはすごいよ。前向きなんだから。」
私は川上くんの頬を殴ってやりたい衝動に駆られた。でも、その頬までの距離が遠い。
普通の人ならここまで怒ることはなかったと思う。でも、私は好きだったのだ。大好きだったのだ。彼のことが。だから、これほどまでに怒りたくなるんだ。
「私は……可哀想な人なんかじゃ……ない……。」
「え?」
「私は可哀想な人なんかじゃないって言ってんだよ!!」
言ってしまった。思いっきり怒鳴ってしまった。怒鳴り散らしてしまった。
何事かと教室の窓から顔を覗かせる人がチラホラ集まり出した。その中にはモップを持った落合くんもいた。それでも、私は構わず日頃の鬱憤を罵詈雑言に乗せて叫んだ。