好きですか? いいえ・・・。
神出鬼没。まったく座敷童のような人だ。出会った時といい、朝迎えに来てくれた事といい、居眠りしそうになった時といい、落合くんはいつも突然、私の前に現れる。
「本当か? サボる気じゃないだろうな?」
「ホントっすよ。頭がグラグラして取れそうなんっす。勉強のし過ぎかなー。」
落合くんは私に目配せをして、ベッドに入った。でも正直、助かった。落合くんが突然現れたことで、私の居眠りはバレずに済んだ。
「んじゃ、続きやるぞ?」
「お願いします。」
「いや、その前に……。」
先生の教科書が宙に浮いて、私の脳天に直撃する。
「個別とはいえ、授業中だ。寝るな。」
「さーせん……。」
バレてたか……。