好きですか? いいえ・・・。





「なあ、財満さんって勉強得意なの?」



さっきまで先生が座っていた椅子に座って、パイナップル頭の落合くんがそう訊いた。瞼が腫れていて、寝起きの顔がブサイクで可愛い、「ブサカワ」だった。



「財満さん、勉強得意じゃない。落合くんは?」



「落合くんも勉強得意じゃない。」



だろうなと思った。得意だったら授業をサボって保健室なんかに来ない。



「でも、落合くんよりはいくらか得意かも。」



「マジで?」



「マジで。」



落合くんが机に身を乗り出して言った。




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