好きですか? いいえ・・・。
ライブが終わって、拍手が起こり、周りがぞろぞろと動き出した。
その周りのみんなが私を一瞥して、それから何も言わずに、何も見なかったように通り過ぎていく。
この光景にも慣れたなあと思う。
「それじゃ、行きましょうか。」
背後から山辺先生の声が聞こえたと思うと、私の身体が180度回転する。そして、私の身体は私の意思とは関係なく前へ進む。
自分の脚でなはない、自分の脚で進んでいく。ふと、後ろを振り返った。大好きな彼がアコースティックギターを大事そうにケースにしまっていた。