好きですか? いいえ・・・。
「やっべー。昼休みあと何分だっけ?」
クリームパンを2本抱えて落合くんが保健室にやって来た。ホント、この人はよく来る。
「あれ? 財満さん。それ……。」
私の食べ終わったカツカレーの皿を見て落合くんはクリームパンを床に落とした。
「まさか……まさか……1日10食限定の……。」
「そうです! 1日10食限定のカツカレーなのです!」
落合くんは目を見開いて、「えー!?」と大声を出した。
「落合、うるさい。」
「だって、山辺先生! カツカレーっすよ!? あのカツカレーっすよ!? 入学してからもう3年目になりますけど、オレ、まだカツカレー食べたことないんすよ!?」
え、しょぼっ。私だって4ヶ月に1回くらいはカツカレー食べられるのに、落合くんはまだ1回も食べたことないんだ……。ホント、しょぼっ。
「どうやってそれを手に入れたんだ!? まさか、金か!? 裏取引か!?」
「そんなことできるわけないじゃん。私には友達が……。」
友達が……いない。でも、落合くんは……。
「……友達が落合くんしかいないんだもん。」