好きですか? いいえ・・・。
「まあ、それもそうだな。」
落合くんは床に落ちたクリームパンを拾って、私の対面に座った。
「ちょっと、落合! あんた十志子ちゃんになんてこと言うの!」
「でもさー、先生。いないことよりも、誰か一人でもいることの方がよっぽど価値のあることだと思いません?」
本当にその通りだ。山辺先生も「そりゃまあそうだけど……。」と言葉を濁した。
「でさー、財満さん。そのカツカレー、どうやって手に入れたわけ?」
「まあ、車椅子効果かな。」
「車椅子効果?」
私はかくかくしかじか事の次第を説明した。
「なるほどな……よし決めた!」
落合くんがクリームパンを口に含んだまま立ち上がった。