好きですか? いいえ・・・。
いじめるのはこれくらいにしておこう。
「わかったよ。とりあえず、それでやってみよっか。」
「よっしゃー! そう来なくっちゃ!」
落合くんがパイプ椅子から立って大声で叫んだ。それを聞いていた山辺先生が叱責。
しばしの沈黙。
「でさー、財満さん。カツカレーの味ってどんな感じだった?」
「カツカレーの味?」
そうだなあ……。
「辛さが絶妙で、カツの衣がしっとり、肉厚ジューシーで……それはそれはもう……。」
「それからそれから?」
「それから? んー、そうだねえ……。例えるなら、ご飯にお味噌汁かけて食べた時の感動に似てるかも。」
「なんだそれ。」
落合くんが吐き捨てるように言った。それを聞いていた山辺先生にもクスッと笑われた。
「私、なんかおかしなこと言った?」
「財満さん、おかしなこと言った。」
……心外だな。
「まあいいよ。食べてみればわかるから。私の言った言葉の意味がね。」