好きですか? いいえ・・・。





いじめるのはこれくらいにしておこう。



「わかったよ。とりあえず、それでやってみよっか。」



「よっしゃー! そう来なくっちゃ!」



落合くんがパイプ椅子から立って大声で叫んだ。それを聞いていた山辺先生が叱責。



しばしの沈黙。



「でさー、財満さん。カツカレーの味ってどんな感じだった?」



「カツカレーの味?」



そうだなあ……。



「辛さが絶妙で、カツの衣がしっとり、肉厚ジューシーで……それはそれはもう……。」



「それからそれから?」



「それから? んー、そうだねえ……。例えるなら、ご飯にお味噌汁かけて食べた時の感動に似てるかも。」



「なんだそれ。」



落合くんが吐き捨てるように言った。それを聞いていた山辺先生にもクスッと笑われた。



「私、なんかおかしなこと言った?」



「財満さん、おかしなこと言った。」



……心外だな。



「まあいいよ。食べてみればわかるから。私の言った言葉の意味がね。」




< 49 / 204 >

この作品をシェア

pagetop