好きですか? いいえ・・・。
私は歩けない。自分の脚で歩くことができない。3か月前に遭った事故が元で、歩けなくなってしまったのだ。
そんな私の「脚」は、車椅子。
まさか自分が歩けなくなるなんて、まさか車椅子を乗ることになるなんて考えたこともなかった。幼稚園の時に思い描いていた夢が音を立てて崩れていった。
歩けない。たったそれだけのことなのに、友達もみんな離れて行った。
「そんなことで離れて行く友達より、ちゃんと傍に居てくれる友達を大事にしなさいね。」
保健の山辺先生はそう言ってくれる。励ましてくれてるんだろうけど、歩けないことを「そんなこと」というたった5文字で片付けてほしくない。
教室へと続く階段も昇れない。だから、一階にある保健室で個別授業を受ける毎日。仮病でやってくるクラスメイトもまるで私がそこにいないような扱い。
どうしてこうなってしまったんだろう。誰を恨んでいいのか、誰を恨んでこの先生きて行けばいいのか、わからない。