好きですか? いいえ・・・。
「なんで泊まりに来るわけ?」
「なんて言うか、夜通し習おうかなって……。ほら、今日は金曜日で、土日は休みじゃん?」
まあ、そりゃ勉強会をするには絶好の日取りだとは思うけど……。
「抵抗ないわけ?」
「抵抗?」
「だって、落合くんは、女の子の家に泊めて欲しいって言ってるんだよ?」
「あー、そこは大丈夫。オレ、財満さんのことなんとも思ってねーし。」
いやまあ、それはそれで安心というか、逆に意識されてたら困るけど、それにしてもこいつ、失礼か。デリカシーがない。
「頼む! このままだとオレ、大学行けずにろくな人生送れずに終わっちゃうかもしんないんだよ! オレの人生を救ってください! 幸せにしてください!」
何、そのプロポーズみたいな文言。
まあでも、落合くんにはいろいろお世話になってるし、それに勉強を教えてあげるって約束はしちゃったわけだし……。しょうがない。
「一応、お母さんに訊いてみる。それでダメだったら、諦めてね?」
「ああ! 頼む!」