好きですか? いいえ・・・。
タタタタタッと階段を駆け下りてきた落合くんの荷物を見て、驚いた。
合宿というより、これじゃ海外渡航だ。それも自分探しの旅。
「……落合くん、何その荷物の量。」
「え? これくらい普通じゃね?」
そう言って、靴を履こうとする落合くんの前で私は両手を広げた。
「ビーッ。ここは空港のセキュリティーゲートです。手荷物検査を実施します。」
「はあ? 手荷物検査?」
「そうです。手荷物検査です。テロ対策のためにもご協力ください。」
私は私の部屋くらい広い玄関の上で、落合くんの持っていたスーツケースを開けさせた。