好きですか? いいえ・・・。





「ちょ、ちょっとお母さん! 帰って来たんだったら、普通に入って来てよ!」



「そんなことできるわけないじゃない。船長さんが一生懸命歌ってたんだから。」



お母さんは買い物袋から買ってきた野菜や豆腐を冷蔵庫に仕舞いながら言った。



「なあ、財満さん。」



「「何?」」



お母さんと返事が被ってしまった。確かに二人とも「財満さん」だけど……。この場合は、私でしょうが!



「なんで、オレ、『船長さん』なんて呼ばれてるわけ?」



「え? そ、それはまあ、なんとなく……。」



私はチラッとお母さんの方を見た。ニヤニヤしている。なんかやりにくいなあ、ホント。




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