好きですか? いいえ・・・。





玄関を出て、落合くんが深いため息をついた。



「ごめんね、落合くん。気を遣わせちゃって。」



「……美しい。」



「……は?」



「財満さんのお母様だよ! あー、すっごく美しい! なんて美しいんだろう……。オレ、心臓バクバクなんだけど、これってもしかして、恋か? 恋ってやつなのか!?」



落ち着け、落合。



「よーく、考えてみて? あの人は、44歳のおばさんだよ?」



「それでもいい。オレ、財満さんのお母様に恋したかもしんない! ねえ、お母様って名前、なんて言うの?」



「千代子だけど……。」



「千代子さんかあ……。ってことは、千代ちゃん? チョコちゃん? タクちゃん、チョコちゃん!?」



……どうやら恋には年齢は関係ないようだ。




< 76 / 204 >

この作品をシェア

pagetop