好きですか? いいえ・・・。
3つの秘伝の薬を与える。
私は、すっかり脱衣所から出るタイミングを逃してしまった。
衝撃的過ぎる。まさか落合くんが私のこと好きで、しかもずっと前から私を見てたなんて……。
「ずっと前ってことは、十志子が事故に遭う前からってこと?」
「はい。正確には2年生の時の修学旅行が最初だったと思います。」
修学旅行……? どういうことだろうか……。
「修学旅行で十志子に出会ったの?」
「はい。財満さんは文系で、僕は理系なので、結局3年生でも一緒のクラスにはならなかったですけど……。」
え? そうなの? 私、修学旅行で落合くんに会ってるの?
全然思い出せない。
「聞かせてもらえるかしら? 修学旅行で十志子と出会った話。」
私も聞きたかった話を落合くんはゆっくり頷いて、それから静かに話し始めた。