好きですか? いいえ・・・。
……そうか、そういうことだったんだ。
私に親切にしてくれるのは、私のことが好きだからなんだ……。
なんか、なんか……。ああ、言葉にできない。
歩けなくなった今も、私のことを好きでいてくれる優しさが嬉しくって、恥ずかしくって、なんかくすぐったい。
「そう……落合くん。キミってヤツは本当にいい人過ぎるいい人だね。」
お母さんはしみじみそう言った。まるで、私の気持ちを代弁するかのように。
「そんなことないです。そんなにいい人じゃないです。」
「いいや、キミはいい人過ぎるいい人だよ。十志子の外面じゃなくて、内面をきちんと見てる。そこを好きになってる。性格で好きになるなんて人もいるけど、結局、容姿もある程度は見るもの。書類選考みたいにね。」
「いえ、財満さんは綺麗っすよ! 可愛いっすよ! クール&ビューティーっすよ!」
お母さんは声を上げて笑った。その笑い声を利用して、私は脱衣所から二人のいるリビングに出た。