恋、始めました。
「だって、アキの好きな人。」
「あぁ、その話ね。だって、アキ恋愛は興味ないって言ってたから。」
「まぁ、私もほんとかなんて知らないけど、噂はあるよね。」
にやっと笑う彼女はきっと最悪な顔をしてる。
「噂?アキの?」
「そうよ!アキが3年の菜々先輩を好きって噂よ。」
オレンジジュースがむせそうになった。
「ゲホッ、ゲホッ。」
「ちょ、大丈夫?!」
「それってほんとなの?」
「さぁ?あくまで噂だけどさ、一緒にいる所見た人もいるみたい。」
アキがあの菜々先輩を...か。
「菜々先輩かぁ。美人だし性格いいし、仕方ない〜!アキのやつ!私に教えないなんて笑」
「あら、あんたバカ?菜々先輩の性格なんて最悪最低よ。」
「へ?」
「マヌケな声出すんじゃない。菜々ってお姉ちゃんの友達なんだけどさ、すっごいよ。」
「え、普通に呼び捨て。」
「まぁ。自分の好きになった人の周りにいる子は叩き潰していく天才。男はあのルックスと可愛い演じられた性格に騙されてるだけ。」
「わぁお。まじ。」
「そ、まぁ、ざっとそんなところね。」
「私帰ってアキに聞いてみるね。」
「うん、聞いたら速攻報告よ?」
「もちろん!」
カフェを出たのは5時過ぎだった。