私の正体、バレてたまるものですか
「あ、さっき今週でドラマの撮影終わりって言ったじゃん?あれ今週の木曜日なんだよ!莉子その日空いてる?」

「一応空いてるんだけど…。」

つい口ごもってしまう。

「じゃあさ、映画見に行かない?今スッゴく面白そうなのやってるんだ!蘭も気に入ってくれると思う!」

「でもごめん。ちょっと行くところがあるんだ…。その映画、気になるからまた誘ってくれない?私もそろそろ仕事落ち着くと思うし。」

「そっか~…残念!でも、しょうがないね。わかった!また今度誘うね!」

「ありがとう!」


「あ、もうこんな時間…。」

莉子と他愛もない話で盛り上がっていたらあっという間に時間は過ぎていた。

「ほんとだ!早いな~…。」

「しょうがないね。そろそろ帰ろうか。」

莉子とは学校が一緒だけど、この頃私は仕事であまり行けてなかった。
莉子も同じ。
やっぱりお互い仕事で時間が合わず、もし私が学校へ行けても、莉子が来てないことも多い。

「うん。めっちゃ楽しかったよ!」

だから、こうやってゆっくり友達と話すなんて、JKなら当たり前なようなこともなかなかできない。

「うん!私も。また時間あったら言ってね。」

その分、すごく楽しい時間になる。

「もっちろん!じゃあね~!」

「またね。」

駅で莉子と別れ、莉子は学校の寮へ、私は自分の家へと、それぞれ自分の帰る場所へ向かう。



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