つぎの春には…
「わかりました」
「では、後ほど」
彼女の了承の声を聞き、電話を切り、ポケットへしまう
ここからT駅まで10分…
19時は回ってしまいそうだ
「すいません、遅くなりました」
19時を少し過ぎ店に到着した俺は店員に個室の掘りごたつの席へと案内された
「いえ、私も今来たところなので…」
髪をアップにした彼女が答える
アップもいい!
ビバうなじ!
「今週お忙しいようなのに、お時間いただいてありがとうございます。」
飲み物と肴を注文した後に、とりあえず、時間を作ってくれたお礼を言う。
「いえ、こちらこそ、本日急にと言ってしまい、すいません」
「とんでもない」
俺が彼女に会いたかったのだ
「来週からちょっと忙しくなりそうなんで、その前に蓮池さんにお会いしたくて…」
飲み物や料理が運ばれ、箸を進めながら、仕事の話を中心に会話が弾む
2時間程食事とお酒と会話を楽しみ、店を出た
さすがに月曜の夜は通行人も疎らだ
「今日はありがとうございました」
彼女が深々と頭を下げる
「いえ、こちらこそありがとうございました。…あの…」
俺が言い淀んでいると、彼女が首を傾げる
「…俺と付き合ってくれませんか?」
やっとの思いで言葉にする
彼女は驚きの表情をしている
無理もない10も歳が下の男に告白されたのだ…
「歳とか関係なく、1人の女性としてあなたが好きなんです。」
年齢を盾に断られない様に先手を打つ