つぎの春には…
「ほら、もう泣かないの。折角の美人が台無しだよ?」
ポケットからハンカチを取り出し栞に差し出す
少女には兄からテーブルの端に置いてあったティッシュが箱ごと渡された
少年は兄として、彼なりに今まで少女を守っていたんだろう
ティッシュの箱から3枚ほど取り出し、涙を拭き、そして豪快に鼻をかむ
「「「ぷっ」」」
見ていた3人が同時に吹き出した
当の本人はキョトンとした顔をしている
あまりの豪快さに笑わずにはいられなかった
この温かい家は栞と栞の大切な子どもたちのお互いを大切に思う気持ちでできている
いつか俺もその一員になりたいと心から思った