つぎの春には…

〜こたえ〜




週が明けいつものように出勤すると課長にミーティングルームへと呼ばれる




荷物をデスクに置き、課長に続きフロアの隅にあるミーティングルームへ入る






中に入ると営業二課の課長と俺を街コンへ連れて行った同期の中谷が並んで座っていた。


俺を呼んだ営業一課の課長が二課の課長の向かい側に座ったので、それに倣い中谷の向かい側に座る。






そこへ営業部の部長が入ってきた



38歳で部長となったかなりのやり手…現在40歳





部長が一番奥の席に座り、机の上で手を組み、話し始める






「突然だが、でかい案件が入り、営業部を増員することとなった。それに伴い、来週から営業部各課に主任を配置する。」





部長が俺と中谷を一瞥し、ニヤリといった表現がよく合う笑い方をした。



「兼元君、中谷君、君達が主任となる。2人の成績や業務態度なら誰も異存ないだろう。」





俺が主任…





まだ役職のない先輩社員もいるのに…




中谷も同じことを思ったのか、驚いた表情をしている





「そして、2人には新しい案件を仕切ってもらいたい。でかい案件だ。営業部一丸となって必ず契約へ持っていく。」




自信に満ち溢れた部長の顔




「2人の主任としての初仕事だ。よろしく頼むよ」




そう言って席を立ち、ミーティングルームから姿を消す





「ま、そうゆう訳だから頑張れよ!困った時は俺らがいるから何でも言えよ」



隣から軽いノリで課長が言う


向かいの二課課長もそうそうと笑顔で頷いている





「「頑張ります」」



俺と中谷は声を揃え、決意表明をした





主任昇格にでかい案件…



この人事に不満を持つ奴もいるだろうけど、結果で黙らせてやる






中谷とは同期でもあり、営業成績トップ争いの良きライバル…そして仲間



お互いに目を合わせ頷く






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