後輩なんて本気になりません!
車を出して来るから
それまでに食べたいものを考えてて
と言われ1番に浮かんだのが
もんじゃ焼きだった。
「思いついた?」
「もんじゃ焼き」
「安っ!それでいいの?
爆食いは?」
「言ってみただけよ
一応女子なんで爆食いってさ
食べれるわけないじゃん!
でも安上がりだって 安心しないで
海鮮たっぷり入れるから!」
こんな嫌味っぽく言わなきゃ
いいのにと少し反省。
「どーぞどーそ」
BGMはKGのバラードがかかっていた
倖田來未のカバー曲
あいのうた。
「洒落た曲聴いてんじゃん!」
「結構いいっすよ」
突然歌い始める龍馬。
結構上手くて聞き惚れていたら
胸にグッとくるものがあって
目頭が熱くなる。
「嘘でもいいからあなたと
一緒にいたいって曲
今のオレの気持ちピッタリです
曖昧な関係でもいい〜なんてね」
「へぇーそうなの
誰と?そんな人居るんだ」
「先輩って鈍感ですか?
それともバカですか?」
「何が???
バカとは何よ!」
「あ〜あ やってられませんね
本当に本当に あ〜あ」
龍馬は
何度もあ〜あとため息をついた。
「あんたさ〜
就職間違えたんじゃない?
歌手にでもなれるんじゃない?」
別にのせるつもりもなく
本当にそう思うくらい上手だった。
「間違えましたかね?」
「そーよ こんなところで
パソコンとにらめっこしたり
ペコペコ頭を下げて販売に回ったり
そんなことしなくてもさ
歌ってお金稼げたんじゃない?」
「どーしたんですか?
褒めすぎですよ
オレ調子乗っちゃいますよ」
まだ次の曲も歌い始めた。
「それだけ上手かった!ってことよ
ちゃんと前向いて運転して!」
「はいはい」