後輩なんて本気になりません!


「そーなんだ でもぉ本当に綺麗だね
女のあたしなんかより
一層綺麗」


「あらそう?ありがとねっ!
あたしあやって言うの
よろしくね」


「えっ?あや?
今聞きたくない名前!
嫌なこと思い出す!」


「あらっ 酷いわぁ
あたしの名前を嫌わないで」


見た目女の子っぽいけど
声は男
・・・調子狂うな・・・。


「ごめんなさい
今喧嘩してる友人の名前が
彩乃って名前だから」


「あらっそーなのぉ
あたしはあや そいつはあやの
『の』が付くからまだマシね
うん?それより喧嘩の原因は?」


「隆!それはオレが今から聞くことなの」


「その前にさ
あなたたちの関係は?」


「会社の先輩
そしてオレの好きな人」


「わぁーぉー!熱い告白っ???
いいわねぇ〜」


いっこうさんの口調そっくり。


「あ・・・これって
いつものことだから!冗談なのよ」
とあたしも答えた。


「隆 ちょい普通にしゃべって
その口調めんどくせー
イライラする!」


「そう?わかったわよ
男にチェンジするわ!変身!
・・・あのさぁ」


その声のトーンの変わりように
あたしは吹き出してしまった。


「もぉ 笑わせないでよ」


ハンカチで吹き出したお茶を
拭き取っていると
「本題に戻るけどさ
何があったわけ?」と
龍馬に尋ねられたので
隠さず全て彩乃とのことを話した。


「友人やめて正解だよ!
人の気持ちも考えられないなんて
最低!男も男だよ!
その彼女が言うように
まだ君のこと好きなんじゃないの?」


あやさん改め隆さんが
あたしの話を聞いてそう言った。



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