後輩なんて本気になりません!


あれから3年


もうお互い28歳
周りのみんなはそろそろ
結婚したら?とか
周りだけが盛り上がっている。


当の本人たちは
結婚の話は出て来ない。


話が出ないだけでなく
最近 俊哉の様子がおかしい。


いつも仕事仕事って
誰に相談しても それは怪しいねって。


「それやばいパターンですよ
きっと女っすね」


同期の松坂恵に相談してるのに
横から口を出す後輩の
矢口龍馬。


「ちょっとぉ!
そこはズバッと言わないでよね
あたしだって うん?
女?とか思ってんだから
後輩のあんたは慰めの言葉とか
仕事て言うんだから
信じてあげれば?とか言いなさいよ!」


「そんな中途半端な男
ポイ捨てですよ!
もっと周り見たほうがいいですよ」


「まだ言うか?」


「だから言ってんじゃないですか
オレにしなよって
オレなら絶対浮気しないし
陽菜先輩ひとすじだから」


「はいはい また始まった」


いつもこのパターン
まるで【好き】の安売りかのように
あたしに言ってくる。


5つも年下に言われると
バカにされてるとしか思えない。


「そんなに素っ気なく
しないでくださいよ」


「じゃあ いつも同じセリフを
言わせないで!
いい加減怒るよ?」


「怒るって・・・好きって伝えて
怒るの陽菜先輩だけっすよ?
どー思います?松坂三先輩」


「あたしに意見を求めないで!
まぁ〜せいぜい頑張れば?」


「松坂先輩のお許し頂いたんで
これからグイグイ行きますよぉ」


後輩龍馬は指をポキポキと
音を立てながら変な気合を入れていた。



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